2018年12月24日月曜日

豚血下地のおはなし ②

さて、豚血下地を「実際にやってみる」という今回の予備実験。

しかし、「ただやってみる」というだけでも、越えなければならない壁があります。
‥‥それは、「血」です。
主たる材料である「豚の血」をどうやって入手するか。

豚血下地が行われていた頃、沖縄の漆器工房では屠畜場から買い付けていたそうですが、
現在では衛生面などの理由からこうしたルートでの入手はできません。

そこで今回は代用として、狩猟の過程で入手可能な「猪の血」を使うことになりました。


狩猟免許を持っている当会代表の山内さんが、ベテランの猟師さんから「猪の血」を分けてもらうことで材料の準備ができました。


狩猟では獲物を美味しいジビエにするために、しとめた後で速やかに血抜きとモツ抜きをして、その後一昼夜流水にさらして肉の熱を取ります。


今回は、その過程で出る血液を使用させていただくことになりました。


「豚は猪を家畜化したもので、分類学上も両者は同じ種(学名Sus scrofa)《出典①》」ということなので、両者の「血」も基本的には同じものだろうという解釈のもと、「猪の血」を使って「豚血下地」の実験をすることになりました。

《出典①》
「ブタとイノシシの遺伝子の違いは?」Web医事新報 日本医事新報社
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=3994
No.4806 (2016年06月04日発行) P.69
野口英樹 (情報・システム研究機構国立遺伝学研究所先端ゲノミクス推進センター)
藤山秋佐夫 (情報・システム研究機構国立遺伝学研究所 先端ゲノミクス推進センター 比較ゲノム解析研究室教授)

さて次回は、豚血下地に使うほかの材料についてふれていきたいと思います。